お隣のおばあちゃん

回覧板が回ってきたので、お隣に持っていったら
タクシーがお隣の駐車場に止まっていた。

いつもは駐車場まで入らないで　
道路に止まっているのに・・？と　
しばし様子見していたら　
御年９４歳のおばあちゃんがタクシーを
利用して１人で帰って来られたようで、

運転手さんが歩行器をトランクから出して、
おばあちゃんの手をひいて
タクシーからおろしてあげて・・と
こういう事には慣れてないみたいで　
右往左往しているので、ついお手伝い

お隣は４世代で暮らしていて
おばあちゃん以外の人は　みんな働いていたり
学校に行っていたりで昼間は誰もいないので
まず玄関の鍵

玄関ドアを開けるとすぐ１０㎝くらいの段差があって、
運転手さんと、おばあちゃんの体を支え
歩行器を持ち上げ　何とか玄関内へ。

その後　玄関から部屋に入るときも１５㎝くらいの
段差があるので、部屋に入るまで介助しようとしたら

「奥さんの顔忘れちゃったから、しっかり顔を見せて」

と　おばあちゃんに言われ、ちょっと照れくさかったけど
ちゃんと正面を向いてたら　おばあちゃんが私の手を握り

「これからも宜しくね」

って　歩行はかなり危なげだけど　しっかりされている

玄関で

「もう大丈夫だから」

と言うので、きっと迷惑かけたくないと
思ったんだろうと　推測して　押しつけになっても
いけないから帰ってきたけど

おばあちゃんの温かくて柔らかい手にほっこりして
なんだろう郷愁を感じた




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